ローンの専門家

【Q&A】 住宅ローンの借り換え、どのように考えたら良いでしょうか?

ローンの専門家からの回答
ご相談者様はじめまして。専門分野「住宅ローン・アパートローン」を担当しております 中村 諭 です。
宜しくお願いいたします。

さて、住宅ローンの専門家の立場から回答させて戴きます。

現在どのようなローンを組んでいて、借換えにより「毎月の返済額を下げたいのか?」「借入れの期間を短くしたいのか?」「逆に期間を延ばしたいのか?」「できるだけ長い期間の固定金利にしたいのか?」など、何を希望するのかにもよるのですが、現在の借入れ条件を次のように仮定させて戴いた上で、お答えさせて戴きます。

・変動金利(2.475%)・ローン残高(2500万円)・ローン残期間(25年)・借換えに使える自己資金(100万円)

まず、ローンの借換えには費用がかかりますので、.現在のローンを続けた場合 .現在のローンで100万円を繰上げ返済に使った場合 .借換えた場合(金利減、毎月の返済額減、期間そのまま) .借換えた場合(金利減、毎月の返済額そのまま、期間短縮)というシミュレーションをしてみます。

《借り換えには諸経費(登録免許税、印紙税、保証料、司法書士手数料など)が掛かりますので、シミュレーションが欠かせません。》

シミュレーション

現在の金利は変動金利ですが、返済終了まで金利に動きが無く現在の返済を25年間継続した場合

金利:2.475%

毎月の返済額:111,839円

銀行への総支払い利息:8,551,905円

完済までの期間:300回(25年)

シミュレーション

現在の金利は変動金利ですが、返済終了まで金利に動きが無い場合で、自己資金の100万円を「期間短縮型」の繰上げ返済をした場合

金利:2.475%

毎月の返済額:111,744円

銀行への総支払い利息:7,735,360円

完済までの期間:284回(23年8カ月)

シミュレーション

変動金利(0.975%)へ借換え、返済期間を25年とし毎月の返済額が下がる場合

金利:0.975%

毎月の返済額:93,935円

借換えの諸経費:約650,000円

銀行への総支払い利息:3,180,636円(諸経費との計:3,830,636円)

完済までの期間:300回(25年)

シミュレーション

変動金利(0.975%)へ借換え、毎月の返済額は同程度とし返済期間を短くした場合

金利:0.975%

毎月の返済額:111,751円

借換えの諸経費:約600,000円

銀行への総支払い利息:2,602,565円(諸経費との計:3,202,565円)

完済までの期間:247回(20年7カ月)

いかがでしょうか。

シミュレーション①に比べ、

シミュレーション②の繰上げ返済だと、完済までの期間が1年4カ月の短縮になり、完済まででは約82万円の得。

シミュレーション③への借換えだと、毎月の返済額は約18,000円(年21万円)も下がりますし、完済まででは約470万円の得。

シミュレーション④への借換えだと、完済までの期間が4年5カ月の短縮になり、完済まででは約535万円の得。

今借りている銀行の中で、新しい住宅ローンへの借換えは認められていませんので、借換えをするには、新たな銀行との契約が 必要となる関係上、どうしても諸経費が発生してしまいますが、手元資金を借換えの費用に廻した方が、繰上げ返済に使うよりも 今回は得策との事がお判り頂けたかと思います。

今回のケースは変動金利→変動金利への借換えですから、金利上昇リスクは共にあります。

ただし、同じ金利上昇リスクでも、1.0%の金利が2.0%となるよりも、2.0%の金利が3.0%となる方が、家計に与えるダメージは大きいのでご注意ください。

その点でも借換えにより、自分の金利を下げておくのは将来のリスク対策にもなります。

(現在借りている銀行に、住宅ローンを全額返済したら保証料の返金が期待できますが、今回の試算には入っておりません。)

以上ご参考になれば幸いです。